「あの世」での生活

死んだら、幽界に行く前にすること ── 調  

私たちが、この地上界での人生を終える時、その肉体には死が訪れます。 

〝死の瞬間〞は深い眠りに入るような状態で、魂が肉体から離れます。

この時、痛みや苦しみを感じることはまったくなく、肉体から抜け出た魂は、一定期間この地上 界にとどまり、愛する人、親しき人たちの側で感謝の気持ちを込めて挨拶に回ります。 

その後、死後の世界へと赴きますが、魂はすぐには霊界へ行かず、この地上界と霊界の中間地点である「幽界」にてしばらく滞在することとなります。

肉体から離れたばかりの魂は、直前まで肉体を持ち地上界で生活していたため、すぐには霊的世界に対応ができません。

肉体や人間の欲望や様々な恐れの気持ちはとて もエネルギーの質量が重く、いくら肉体を脱ぎ捨てたといっても、自分自身のエネルギーはまだ完全には霊的世界に対応できないのです。

いわゆる「地上エネルギー(地上臭)」がまだ残っている状態です。

この状態では、当然ながら、エネルギーの崇高な霊界には対応ができないので、中間地点である幽界に、地上臭や地上への未練を取り除き、エネルギーの質量を霊界に対応できるレベルに引き上げるために、一定期間滞在することになります。 

私たちの魂は、死後、守護霊さまによって、幽界に導かれますが、まず初めに幽界での生活が始まる前に、休憩所(待合室)のような場所に行きます。

そして、この場所は地上でいうと病院のような場所で、地上界でのエネルギーを幽界の環境に適応させるために、「霊体調整」がなされます。

この時、霊体はまどろんだ状態の中、エネルギーが調整されていくのです。 

大スクリーンに映し出される生涯

まどろみの状態で霊体調整がなされている間、今まで生きてきた地上人生での一生の行いを振り返ります。

大きなスクリーンのようなものを目の前に、自分自身が人間 で生きていた時の映像が流れるのです、生まれてから死を迎えるその時までのすべてが。

そのスクリーンには、自分の行い、善も悪も、感情も、すべてが詳細に映し出さ れます。

それを見ながら、この人生をどのように送り、得られたこと、得られなかったこと、 やり残したこと、執着したこと、人を騙したり傷つけりしたこと、逃げてきたこと等、 自分自身で様々な人生の善し悪しを判断することになるのです。

すべてが赤裸々に映 し出されるスクリーンを見ながら、自分自身の愚かな行為に対してさいなまれる気持ちとなります。

こうして霊体調整が行われた後、魂はエネルギーの質量が軽くなり、幽界に適応できるようになります。

そして守護霊と共に霊の世界「幽界」へと入っていきます。

幽界入りすると、しばらくここでの生活が始まります。

霊体調整をしたとはいえ、 まだまだ地上臭が残っています。

それらをこの幽界での生活でさらに軽くし、次に進むべき「霊界」での生活に適応できるエネルギーに変えていきます。 

幽界では何でも望みが叶う 

では幽界とはどのような世界なのでしょう。

幽界は実は基本的には地上界の風景にそっくりなのです。

多くの幽界入りした霊たちは、あまりにも地上界とそっくりであるため、自分はまだ人間として生きているのではないか?と錯覚を起こすほどです。

そしてまだ地上エネルギーが抜けていないため、地上界時代と同じ体、考え方が続いています。

なお、体については、自分自身の好みで人間として生きていた時の一番はつらつとしていた時の姿に戻ることができます。

もちろん幽界はこの地上のような物質界ではありませんので、地上界と同じような 肉体や風景といえども、物質的に存在しているわけではありません。

想念の世界なの で、自分自身の希望するものを映し出して作ることができるのです。

ですので、思うことがすべて叶い、すべてが地上界より美しくなります。

「自分の思いであらゆる環境を作り出す」ことができるのです。 

幽界の霊同士の会話はテレパシーで通じ合えるため、心で思っていることが相手に何でも伝わってしまいます。

そこで、同じような考え方、物の見方ができる「心を許し合える者同士」の仲間たちが集います。

霊たちにとっては、この幽界は地上界よりもはるかに素晴らしい「楽園」にも感じられるかもしれません。

誰もが、「ここはまさしく天国だ、何でも叶う、ここにずっといたい」と思うのです。

やがてこの何でも願うことが叶うこの生活に飽きを感じるようになります。

人間時代は、夢を実現させるために努力をして、その先に得られる心の充足感がありました。

しかし、幽界の「何でも望みが叶う」ことには心の充足感がもたらされません。

自分自身の欲望や喜びだけを追い求め満たそうとする生活には充足感がないことに気づき、 新しく精神的なものを求めるようになります。

それを「霊的意識」の芽生えといいますが、そのことに気づくことがこの幽界では必要なのです。

この気づきにより、完全に地上臭を取り除くことができ、霊的エネルギーとなり、 次に本来行くべき場所である「霊界・グループソウル」に赴くのです。 

 

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