死後の世界 -死んだら魂はどこに行くのか-

肉体を脱いだ魂は「楽園」に赴く

故人はお墓にはいません 

 私たちの肉体が死を迎えると、私たちの魂は肉体から切り離され、幽界へと赴き、そこで一定期間過ごしたのちに魂の故郷である霊界へと戻っていきます。

故人は、幽界や霊界からこの地上界に残っている私たちのことを見守ってくれているのです。

肉体を離れた魂は、人間の肉体を持っていた時よりも、自由に好きなことができるのです。

どんなことでも「想念」で作り上げることができる世界はこの物質的な地上界と大きく異ります。

それが、幽界や霊界なのです。

最近多くなってきたのは「お墓について」のご相談です。

核家族化が進む世の中、誰がお墓を継ぐのか、守るのか。

死後、誰々とは一緒のお墓に入れないでくれ、田舎 のお墓には入りたくない、夫婦不仲の場合一緒には入りたくない等々お墓をめぐ る問題は多くあります。

しかし、霊的に考えた場合、肉体から抜け出た魂は、果たしてお墓にいるのでしょうか?

 

霊たちはそこにはいません。

 

生前に、お墓に対しての要望を残していったとしても、幽界や霊界に行けば、お墓も物質界の中の一つのモノに過ぎず、そこにこだ わりも何もなくなるのです。

それらにこだわっているのは、私たち、生きている人間だけなのです。

私が幼少の頃、お盆には親戚一同が集まり、提灯を灯しながら、皆で祖父母の墓に お迎えに行っていました。

まだ小さかった私は、不思議だな、と感じていたのです。

何が不思議か?

皆、おじいちゃんとおばあちゃんをお墓にお迎えに行こうね、と 墓地までの道のりを歩いているのに、その最中に、すでに祖父母は、私たちのそばにいるからです。

私はよく「何で、おじいちゃんとおばあちゃんはもうここにいるのに、お迎えに行 くの?」と言っていたものです。

「おじいちゃんもおばあちゃんも、お墓になんかい ないのに」と思っていたのを思い出します……

「墓守がいない というご相談 

お盆の時期は特に、「お墓について」のご相談が多くなるようです。

カウンセリングにお越しいただいた佐藤恵美子さん、 55歳。ご相談内容も、「お墓をどのように継いだらよいのか」というご相談でした。

恵美子さんはカウンセリングサロンの椅子に座られて、すぐに困った顔でお話し始めました。 

「お墓の問題で、とても困っています。

 私には子どもが3人いますが、皆、女の子です。

男の子がいればその子が墓守をしていくのですが、女の子ばかりですので結婚したら相手の男性方の家に嫁いでしまいます。

すると、佐藤家のお墓を継ぐ者は誰もいなくなってしまい、今とても困っているんです。

先日主人と話し合いをしまして、墓守を絶やすことはできないので、佐藤家が継続できるように、長女が結婚する相手には養子に入ってもらい、佐藤家を引き継いでもらおうという話になりました。

それを長女に話すと『家の問題に私の結婚を巻き込まないでほしい。私の人生なんだから!』と怒ってしまい、それ以来、私たちとは口をきかなくなりました。

長女が無理なら次女と思い、この話を次女にしました。

次女はまだ大学生で、具体的な結婚相手がいるわけではないので、いずれ結婚を考えた時には、結婚相手は養子を条件にと。

すると『私の人生に縛りをかけるの 』と長女同様怒ってしまいました。

もうどうしたらよいでしょう」 

今の若い世代の子たちに、いきなりお墓の話をしても、現実的に捉えられないのは事実でしょう。このような問題が近年多いのです。

私は、この問題について、佐藤家のご先祖さまと交信して、メッセージを受け取ってみることにしました。

交信を始めると、目の前に出てこられたのは細身の男性で、おそらく生前は眼鏡をかけていただろうと思われます。

見えてくる光景の中では、本を読むか何か文字を書くようなことをしています。

子どもたちと接することが多かったのか、子どもたちが周りに見えています。

まずはこのような方を、ご先祖さまでご存じかを恵美子さんに伺いました。

「細身ですか……、眼鏡……、私は会ったことがないのですが、もしかして主人の祖父かもしれません……。

詳しくはわかりませんが、祖父はとても勉強家だったと主人は主人の父から聞いていたようです」

 

「では、ご主人さまのおじいさまかもしれませんね。メッセージの続きを受け取って

みますね」

 私は再度メッセージに集中しました。

すると次のようなメッセージを受け取りました。

「こっちではこっちの世界にきた子どもたちに色々なことを教えているよ。

本を読むこともできるし、また教えることができて嬉しいんだよ。楽しくやっているさ。

だから、皆、自分の生活や生き方を大事にしてくれ。

墓にはいない。だからそのために子どもたちの自由を奪ってはいけない。

墓は、気持ちだけで十分だ。自分のための人生を自由に生きなさい」

ここでメッセージは途切れました。

私はこのメッセージを恵美子さんに伝えました。

恵美子さんは、

「もう一度主人と相談してみます。この祖父からのメッセージを伝えます」

と言いカウンセリングは終了となりました。

とって一番悲しいこと

 1週間ほど経ち、恵美子さんからメールが届いていました。

早速ご主人と話し合いをしたようで、そのご報告をくださいました。

「先日の祖父のメッセージを主人に話しました。主人は祖父にとても可愛がってもらっていたので非常に腑に落ちたようです。

 祖父は学校の教師をしていたそうです。

子どもたちに慕われて、本当に教師という仕事に就けて何よりだ、お前も好きなことをして生きるんだぞ、と言われて主人は育ったそうです。

ですので、今回のこのメッセージを聞いて『おじいちゃんだ……』と涙を流していました。

祖父が生前同様、向こうの世界でも子どもたちに教えるという好きなことができていることを聞いてとても安心したと……。

お墓の問題が本当に小さなことに思えてきたと……。

そして、自分の娘たちには、自由に自分の道を進ませようと……。

お墓を守ることにこだわりすぎて、大切な今を生きている娘たちを縛ってしまうところでした。

そのことで家族仲が悪くなることが、ご先祖さまにとっても一番悲しいことだということがよくわかりました」

そして、娘さんたちとも元の仲のよいご家族に戻ったそうです。

本当によかったです。

同様のケースはとても多くお見受けします。

佐藤さんご家族は、関係性が修復しましたが、お墓のことが原因で、家族仲に亀裂の入ったままのご家庭もいらっしゃいます。

しかし、ご先祖さまはそんな姿を見てとても悲しんでいます。一番の先祖供養は、今いる家族たちが、仲よく幸せでいること。

自分たちのために揉めて家族が不仲になること、そして心配をかけさせてしまうことが何よりも悲しいのです。

お墓より 「心」が大切 

不仲な家族同士が同じお墓に入っているのはよくないでしょうか?と聞かれる方もいます。

生前不仲の場合、死後に幽界、霊界へ行っても一緒になることはありません。

肉体を脱ぎ捨てた魂たちは、お互いの行くべき霊界で自分の好きだったことや、 または生前やりたくてもできなかったことをしながら楽しく過ごしているのです。

地上のお墓の中にはいないのです。

また、仲よしだった夫婦や親子が何かしらの事情で別々のお墓に入っているケースもあります。

そのことを心配して、一緒にしたほうがいいのか等のご相談を受けることもあります。

それも同じことです。

死後、幽界や霊界に赴いた際、生前愛し合っていた者同士は、 いつでも会いたい時に会い、いつまでも一緒にいることができるのです。

しかも、地上にいた時以上に強い絆で。

お墓は、目に見えないものを敬い大切にするための媒体として、人間が作り出したもの。

しかし、肉体を脱いだ魂はそこにはおらず、自由に素晴らしい世界に生きています。

お墓にこだわるより、「心」を大切に、ご先祖さまを大切にする気持ち、

時には自宅でお茶を入れてご先祖さまたちに「有難うございます」と気持ちを伝えることでも、 十分な先祖供養となるのです。 

 

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