子どもと自分の幸せに繋がった離婚という選択

「離婚」と聞くと、非常にネガティブなイメージを持つ方も多いと思います。

しかし、魂を成長させるために、現世では「離婚」というプロセスを心の成長の通過点としなくてはならない学びもあるのです。

こうした場合の多くは、前世から持ち越したカルマが関係しています。

そのカルマを解消して魂を成長させるため、現世の人生の課題の一つに「離婚」という選択技が組み込まれているのです。

また、そこには「離婚を選択する」という本人の意思が試される場合もあります。

つまりは、学ぶべき課題として、「依存(利得)」と「自立」が隠されているということです。 

私のスピリチュアルカウンセリングに来られた相談者の岡田律子さんは、この先、生きていくことへの不安感が強く、次のようなご相談をされました。

人生の課題は「心の自立」という学び

「今のままで生涯終わるのかと思うと、とても不安になるんです。

特に、主人が私のやることすべてに制限をかけます。

なので、私はこれからの人生、自分の好きなことはもうすべて諦めなければならないのか思うと……、もう、未来に希望が持てません。

主人は自分の思うようにならないと、子どもたちの前でも暴力を振るってきます。暴言もひどく、DV(ドメスティック・バイオレンス)です」

 

 私は、そのように話される律子さんに、お聞きしました。

 

「律子さんは、ご主人とどうされたいのですか?」

 

律子さんは、「えっ?」という顔で、しばらく考えていました。

 

「どうしたい……、私、どうしたいんだろう……」 

 

「自分がどうしたいか、考えたことはないのですか?」

 

「……離婚は、少し頭をよぎりました。でも、それはあり得ませんし……」

 

「あり得ないのですか? それはなぜ? DVでつらいのでしょう? 子どもさんたちの前でも、ご主人は暴力を振るうのですよね?」

 

律子さんは下を向き、沈黙されました。

しばらくして、目頭を押さえながら、ひと言、つぶやきました。

 

「子どもたちのために、絶対に離婚はできません。片親にしたくないんです……」

 

私はすぐに霊視をして、ご主人(晃さん)の内面、2人のカルマ、前世をトータル的に見ていきました。

私の目の前に、まずは、ご主人のビジョンが映し出されてきました。

律子さんのご主人は、いつも孤独な反面、見捨てられたくないという「見捨てられ不安」がとても強いということが見て取れました。

走馬灯のように私の目の前を駆け巡るビジョンには、幼い頃、いつも泣いているご主人が映し出されていました。

どうやら、ご主人のお母さんは、ご主人の幼少時、常にそばにはいない様子です。

そして、晃君(ご主人)のお父さんとお母さんは、とても仲が悪く、お母さんは子どもである晃君に対して、優しく接することができていない様子。

そして……、お母さんは家を出ていったのか?晃君の前から突然いなくなっているビジョンを受け取りました。

 

私は、このビジョンをありのまま律子さんに伝えました。

律子さんは、すぐに返答しました。

 

「私が主人から聞いた限りの話では、あの人は母親に見捨てられているんです。主人はいつも母が憎いと……。

主人の母親は、主人の父親ととても仲が悪く、いつも喧嘩と暴力が絶えなかったそうです。母親は父親に殴られ、いつも泣いていたそうです。

主人も、母親と一緒に泣いていたと……。

母親はいつも、『こんな家、出ていきます』と父親に怒鳴り返していたらしく、

そのたびに、当時、まだ子どもだった主人は、 『お母さんが、いなくなってしまう……』と、

いつも不安で仕方なかったそうです。 

そんなある日、朝起きると、母親は本当にいなくなり、父親が、

『お母さんは、お前や俺を捨てて出ていったぞ』と言ったそうです。

それから、『母親は自分を捨てたんだ』と思い続けながら生きてきた……と私は聞いています」 

 

「そうなんですね……」 

 

私は霊視で見たビジョンと律子さんのお話を重ね合わせ、ご主人には「見捨てられ不安」があるのだということがわかりました。

お母さんに見捨てられたという経験は強烈につらい思いとして残り続け、大人になった今でも「身近にいる愛する人が、自分の元から去ってしまうのでないか……」という思いがフラッシュバックして、現在の妻である律子さんに無意識に重ね合わせてしまっていたのです。

その結果、自分の母親が去っていったトラウマから、律子さんに対しても行動制限をかけ、いつでも自分が把握できる状況にすることで、自分自身の安心感を得たかったのでしょう。

しかし、それを繰り返していては、ご主人はこのトラウマから抜け出せません。

いつでも力で抑え、従わせる関係は、自分自身の不安を強化させるだけです。

真の信頼関係は、力で抑えるものではなく、お互いの心が自由でいられることが大切なのです。

ご主人はそのことに気がついていないのです。

こうしたことを律子さんに伝え、次に律子さんを霊視し、ビジョンを受け取っていきました。 

 

律子さんのビジョンを受け取ると、それは、どうやら前世より引き継いできた、ご主人とのカルマが影響しているようでした。

時代は……、古い時代の中国? 日本ではなさそうです。

そこでの律子さんは、若く美しい女性です。

律子さんは、何か工芸品のような物を作っている両親の娘として生まれ、その父親の技術は非常に素晴らしく、国王の一族へ作品を献上しているほどでした。

そして律子さんには結婚間近の恋人がいるようで、とても幸せに過ごしているような感覚を受け取りました。

しかし、次にビジョンが移り変わりました。

王宮に作品を献上している両親と共に、律子さんも王宮に招かれている様子。

そして、そこにいたのは国王の一族とその息子である男性でした。

その男性が、今、この現世でのご主人だということは、私にはすぐにわかりました。

男性は律子さんのことをとても気に入り、それ以後、何度も王宮に招きました。

律子さんは結婚を間近に控えているものの、招きを断ることはできません。

その理由は、もちろん権力です。

絶対的な権力を前に、ただ従うしかないのです。

王族である男性は、律子さんが結婚間近であることを知りながらも、自分の気持ちを優先させ、律子さんの気持ちにはお構いなしです。

その次に見えたビジョンでは、律子さんにつらい試練が待ち受けていました。

男性が権力を使い、律子さんを王宮の中へ入れる指示を出したのです。いわゆる側室にするために。

しかし、結婚間近である律子さんと両親は、何とか許してもらえるように必死に頼みました。

しかし、この指示に従わなければ、国王一族への献上品の 仕事の依頼をすべて打ち切ると言って選択を迫ってきたのです……。

律子さんは、両親のために……と、自分が犠牲となることを決意しました。

「自分の意思で」ということにして、恋人との別れを決断したのです。 

 律子さんを側室にした男性は、律子さんの心が自分に向いていないことを察し、何とか気持ちを自分に向けようと、権力を用い、律子さんに多くの制限をかけ、自分のそばから離れないように画策しました。いわゆる「かごの鳥」の状態です。

しかし、権力で人の心を変えることはできません。

律子さんは、王宮で暮らしながら、自分の気持ちを抑え、自由を諦め、相手に従う生き方の末、この生涯を終えたのです。

ここでビジョンは途絶えました……。

 

私は、この前世のビジョンを律子さんに伝えると、律子さんは話し始めました。

第2話に続きます。

 

 

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