守護霊さまとその役割-霊は愛だけをもたらす-
守護霊さまは恐がらせるようなメッセージは送らない
「守護霊」という言葉は、日本人であればほとんどの人が聞いたことがあると思います。
スピリチュアルや心霊現象などにあまり興味のない人でも、何となくその存在を意識している人は多いのではないでしょうか。
ただしその受け止め方は人それぞれであるが故に、誤解されていることも多いのが「守護霊」なのだと思います。
時にはこうした霊の存在を意識し過ぎるがために、不幸を呼び寄せることもあるのです。
除霊をしないと不幸になる?
佐藤加奈さん44歳。
スピリチュアルハーモニーの霊視カウンセリングにお越しになられた加奈さんは、震えて恐がっていました。
「私はもう疲れました。どうしたらいいのか、何を信じたらいいのかわかりません」
そう言うと、ことの経緯を話してくれました。
「私は、数年前から本当に不運続きでした。交通事故に遭い、むち打ち症状となり、
その後、難病といわれている病気にかかり、会社は対人関係がひどく辞めるまでに追い込まれました。
さらに、友人には騙され、借金を背負う羽目に。まだまだあります。
次から次へと、本当にどうしてこんなことばかり起こるのだろうか、と悩んでいたところ、
知人から『神が降りてくる、神の声が聞こえる』という霊能者を紹介されて見ていただきました。
すると『あなたの母方の先祖に人を騙しひどい仕打ちをした者がいるので、その祟りが出ている』と言われ、
その祟りをお祓いするために、数十万円を数回にわたり支払いました。
しかし、その後も、次から次へとトラブルが起こり、今度は家族が怪我をしてしまい、また見てもらったところ、
『家に霊が多くいる……』など、恐いことを言われ、その都度、除霊料を支払い、除霊していただきました。
その後、さらに『あなたは因縁をたくさん持っているから、これ以上不幸が起きないように定期的に除霊をしなさい』と言われ、
毎月高額な除霊料を支払うようになり、精神的にも疲れ果ててしまいました。
私はもっと何か他の霊障があるのでは? 違う解決方法はないか? そう考え、ネットで調べて、何人も違う霊能者を巡ってみました。
すると、そのたびに『憑依されている』『先祖の因縁がある』『お墓が悪い』等、同じようなことを言われます。 もうお金はこれ以上払えないんです。
でも除霊を続けないと、不幸になると言われています。どうしたらいいですか。助けてください」
家庭をも壊す 「霊能者巡り」
加奈さんは憔悴していました。
霊障、先祖の祟り、お墓が悪いなどと言われ、自分の身を守るために高額な除霊料やお祓い料を定期的に払い続けるものの、事態はさほど好転しないので、ネットサーフィンで、別の除霊師や霊能者をまたします。
気づくと「霊能者」に対する依存度がどんどん高まっていました。
収入のほとんどを、「霊能者巡り」につぎ込んでしまっていたのです。
これらの事態は普段の生活にとても悪影響を与えていました。
加奈さんは話を続けました。
「主人との会話も、霊障や除霊の話が多くなり、そのような話ばかりを聞かされる主人は『もうやめてくれ! そんな話ばかり!』と激怒し、夫婦間もギスギスしています。
私はもう何もやる気がなくなり、外にもあまり出ることもありません。でも孤独で淋しいのでまた霊能者のところへ行ってしまうんです。
こんな自分が、そして家族関係がもう嫌で……。 実は今、精神科に通っています。うつ病と診断され、薬を飲んでいます。
しかし、 その状況さえも、ある霊能者には『あなたは憑依されているから精神的にうつにさせ られているのよ』と言われました。
それを除霊すると言われ、また除霊料を支払いました」
そうしたことを繰り返していく中で、たまたま私を知り、訪ねてきてくださった、 という経緯でした。
私たちを怯えさせるのは低級霊
早速、霊視を行わせていただいたところ、残念ながら、加奈さんは霊能者に騙されていた、ということがすぐにわかりました。
人は誰しも心が弱っている時に、目に見えないものにすがりたくなり、霊能者に言われたことを信じてしまうのはよくあること。
しかし、霊能者の中にも様々な人がいるので、その善し悪しは自分自身で判断するしかありません。
そこで覚えておいていただきたいことは、霊には、波長が高く愛に溢れいつも私たちを見守ってくれる愛の存在の霊と、波長が低く、霊界と地上界の間をさまようことしかできない低級霊とが存在するということです。
波長の高い霊界や幽界に存在する霊たちは、決して私たちを恐がらせ恐怖におとし入れるようなメッセージを送ってはきません。
これは絶対といっても過言ではありません。私たちを恐怖に怯えさせるのは低級霊のいたずらなのです。
そのようなメッセージを発する霊能者自身が、低級霊に憑依されていて、そのような発言をさせられている可能性も否めません。
またエネルギーの波長の高い霊界の霊たちは、波長の低い人間の肉体に入ることはできません。
したがって、神や故人を自分の体に降ろすというようなことはありえず、 肉体に入ることができるのは人間の波長に近い低級霊だけなのです。
何事に対しても依存心が強い人の場合は、「依存」というマイナスエネルギーが自分のエネルギーを下げてしまうため、低級霊に憑依されている霊能者に波長が同調してしまい、マインドコントロールをかけられてしまう場合も多くあります。
そのような恐れのメッセージを伝えられた時は「波長の高い霊たちは決して恐れのメッセージを送ってこない」ということを思い出していただければ、騙されることも少なくなるでしょう。
自分の気持ちや違和感に正直に従えば、波長の高い霊、守護霊たちが「直観」という形でメッセージを送ってくるはずです。
そのメッセージを受け取ることができるようになれば難から逃れられるものです。
ご先祖さまの悪行はご先祖さまにしか償えない
また加奈さんも言われていたことですが、霊視カウンセリングのお客さまで多い相談の一つが
「ご先祖に悪い行いをした人がいるのであなたの家系は祟られていると、 霊能者に言われた」という内容です。
目に見えない悪いエネルギーの存在が自分に影響していると思うと、藁にもすがり たくなるほど恐怖を感じることもあるでしょう。
その結果、請求されるがままに、高額な除霊料を支払ったり、何人もの霊能者巡りをして解決策を見つけようとします。
しかし、その行為自体が、自分自身のエネルギーの波長を落とし、かえって波長の低 い低級霊の影響を受けるという悪循環になってしまうのです。
「因果の法則」というものがあります。
因果の法則とは、「自分が作った原因が自分自身に結果として現れる」という意味ですが、これはつまり「償いの法則」でもあり「自分で蒔いた種は自分で刈り取る」 ということなのです。
魂はその故郷である霊界のグループソウルから、この地上界に学びのために輪廻転生を繰り返しています。
その際、過去世で自分が作り出した原因は、生まれ変わった自分自身で解消しなければなりません。
つまり、ご先祖さまが行った悪い行為は、そのご先祖さま自身がまた次に生まれ変わった地上人生で償わなくてはならないのです。
これを「カルマの法則」ともいいます。
自分で作り出した悪い業は、その人生の中で償うか、生まれ変わった次の人生で償うしかないため、決して人間界での子孫に償わせたりすることはできません。
「先祖に悪い行いをした者がいるから、子孫である自分たちに影響している」ということはあり得ないのです。
大切なのは、 霊能者ではなく自分の直観力
これらのことを加奈さんに一通りお伝えさせていただきました。
現在の加奈さんは、心に違和感としてあることには手を出さず、霊能者巡りをすることも止まったそうです。
自分を信じ、恐れも自分の心が克服できるものと思い、積極的に様々な物事と向き合う努力を続けています。
辛いこともあるけれど、楽しいこともあるのだと、心は平穏になり、心のエネルギ ーも高まりました。
嬉しいことは嬉しい、恐いことは恐い、それもすべて自分の心でいかようにも変えていけるのだということがわかり、「依存」がなくなりました。
人への依存心がなくなり、自分自身を受け入れることができるようになると、直観力も上がってきます。
すると、自分の心の中の声や違和感を、直観力という形で受け 取りやすくなります。
その心の声は、実は守護霊さまのメッセージでもあるのです。
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