流産した我が子から届いたメッセージ

新たな命がお腹に宿ると、母になる喜びと不安が入り交じる気持ちの中、無事に生まれてくることを願い、対面できるその日を心待ちにするものです。

しかし、中には、流産という悲しい結果に至り、大きな悲しみを抱えている人も少なくありません。

流産には、霊的には、さまざまな理由がありますが、親を想う子どもの魂が、自ら進んで流産という形をとるケースも存在します。

「ママの心が元気になったら、戻ってくるからね」

葉山理央さん( 30代前半 )の相談内容は、妊娠7カ月で流産した我が子のことでした。

お腹の中のお子様は、いきなり心肺停止となり、原因は不明でした。

前日の検診では、とても元気に動いていたとのことでした。

「これは何かの霊的な意味があるのか、霊障なのか?」と心配されて、相談にお越しになりました。 

なぜ霊障だと思われたのかをお尋ねしたところ、

ある霊能者に「先祖に悪業を行った人がいて、その因縁で子どもが授からない」と言われたからだそうです。

私は、この件で、霊視を始めました。

お腹の中で流産となったお子様から、たくさんのメッセージを受け取ることができましたが、その内容は霊障などとは無縁で、愛にあふれるものでした。

ただ、その内容は、理央さん自身の心の奥の問題を直視することにもつながり、それが流産の根本的な問題であると受け取りました。

その内容を、理央さんに伝えました。

「まず、『霊障かどうか』ということですが、まったく心配ありません。

しかし、理央さんは、自分自身が母となることについて、大きな不安を抱えていませんでしたか?

『母になること』に対して、恐怖に近いほどの不安感です」 

理央さんは、眉間にシワを寄せて、

「どうしてそれが、わかるのですか?」と聞き返してきました。

「お子さんがメッセージを送ってきているので、そのままをお伝えしますね」

と私は、 お子様からのメッセージを自動書記という手紙のような形式で書き取りました。 

 

「ママのところに生まれたいと思って、ママのお腹に入ったの。

 でも、もし生まれたら、ママがたくさん苦しむことがわかった。

 ママはいつも『怖い』って言って泣いてたから……。

 もし生まれたら、ママは自分を責めてしまって、心が元気になれない。

だからね、一度、神様のところに戻っていい? ってお願いしたら、いいよって言ってもらえたから戻ったの。

でもね、ママの心がたくさん元気になったら、必ず戻ってくるよ。

それも、ちゃんと神様と約束してるんだ。

だから、元気になってね」

 

このメッセージを聞いた理央さんは、心当たりがあるようで、さらに、私に質問をしてきました。

「生まれていなくても、お腹の中にいるだけで、いろいろなことがわかるということでしょうか。では、私の過去についても、子どもには、わかっていたのですか?」

「もちろんそうです。魂は、自分の母となる人を選び、お腹の中に入るのですよ。

母となる人のことは、すべてわかっています。

でも、生まれてくる子の魂、もしくは母の魂のほうで、何かしらの事情により、

事前に決めた人生の課題を学ぶことが困難な状況になった場合は、お腹の中に宿った魂も、一度、霊界に戻ることがあります」

「では、その子も私のために戻っていったのでしょうか……。その子からのメッセージ、とても心当たりがあります……」

理央さんは、過去の経緯について、話してくれました。

「私は小さい頃から、自分の母親から虐待を受け続けてきました。いつも殴られるたびに、『ママごめんなさい、ごめんなさい』って泣きながら謝っていました。 

でも、私は何もしていないんです。何で殴られているか、わからなかった。でも、謝るしかなかったんです。

父は、母とは離婚していたので、父には、たまにしか会いませんでした。だから、普段は母と私の2人でした。

小学3年生のとき、突然、母が戻ってこなくなり、不安で泣きながら一日過ごしたことを覚えています。

そして、そのまま母は戻らず、私は伯父(母の兄)夫婦の家に引き取られました。

しかし、そこでは毎日のように、伯父と伯母から『あんたの母親は子どもを捨てて、私たちに押し付けたんだよ』と言われ続け、事あるごとに暴力を受けました」

そこで、話がいったん止まりました。

理央さんの表情はこわばり、視線は一点を見つめていました。

何かを思い出していたのでしょうか……しばらくして、理央さんは話を続けました。

「地獄のような日々でした。気が遠くなるほど、特に伯母には殴られました。

でも我慢するしかなかったんです。そこでしか生きられない、追い出されたら生きられない、そう思いながら耐えました。

私を捨てた母を、どれだけ恨んだか。私には『母』というものが、どのような存在なのかわかりません。

一般的には、子どもを守り、大切にし、優しく、一緒に遊び、つらいときは、いつでも寄り添ってくれる存在なのでしょう。

でも、私は何ひとつ、そんなことはありませんでした。真逆です。

暴力、暴言、無視。

遊んでくれたことも、大切にしてくれたことも、一度だってありません。

母との思い出は、殴られたこと以外、何もありません」

理央さんの心のつらさが伝わるのと同時に、私の目の前には、理央さんが母親や伯母さんなどから受けた仕打ちのビジョンが見えていました。

これらの仕打ちを小さな子ども時代から受け続けてきて、彼女の心は、どれほど傷ついていたことでしょう。

理央さんは、さらに話を続けました。

「だから私、自分が母親になるということに対して、自分の母親を思い出してしまい、自分も母親と同じようになるのでは……と、とても不安に感じていました。

妊娠がわかったときから、毎日のように当時の日々を思い出し、母への憎しみが強くなって、殴られていたことばかりを考えるようになり、ノイローゼのような状態でした。

私は母に愛されていなかった、だから、自分も我が子を愛せないんじゃないか、子育てなんてできないんじゃないか……と思い続けていました」

理央さんの目から、大粒の涙が流れていました。

「でも、その子は、私のそんな気持ちをわかって、流産という道を選んだのですね。

私がそうさせてしまったのですね……。私が母を恨んでいるように、流産した子も私を恨んでいますね、きっと」

私はすぐに答えました。 

「それは違います! お子さんからのメッセージは、お母さんへの愛情そのものですよ。

『自分が生まれることで、ママを苦しめてしまう』『ママの心が元気になってほしい』と言っているんですよ。

理央さんは、愛されたことがないとおっしゃっていますが、こんなにも、お子さんの魂は、理央さんのことを想っています。 

だから、新しい家族を作りましょうよ。

理央さんを愛してくれる魂が、そばにいてくれることがわかったんですから。もう怖がらなくてもいいんですよ」

理央さんは涙を流しながら、つぶやきました。

「でも、その子は、もう流産して、いないんです……」

「理央さんのお子さんの魂は、『ママの心が元気になったら、また戻ってくる。そのことも、ちゃんと神様と約束しているから』と言っていましたよね。

だから、その子は理央さんの心が元気になったら、そして、母になることを恐れる気持ちを手放すことができたら、必ず戻ってきてくれますよ」 

「本当ですか? ごめんね、こんなに心が弱いママで……。

 私、その子が私の元に戻ってこられるように、頑張ってみようと思います!」

何かを決心したように、理央さんはカウンセリングを終えて、カウンセリングルームを後にしました

 

潜在意識の「恐れ」が、体に影響を及ぼす

流産や不妊というケースにおいては、「母娘の心の葛藤によるトラウマ」が原因となっている場合も少なくありません。

特に、不妊の場合には、自分自身の意識としては「子どもが欲しい」と願っているのと裏腹に、潜在意識(無意識)では、自分が母になることを拒否していることがあります。

その原因のほとんどが、自分自身が母娘間の問題を抱えていることにあります。

潜在意識(無意識)がどうなっているかは、自分で意識的に気づけるものではありません。

ですが、潜在意識(無意識)の情報は、体にダイレクトに反応します。

自分自身が母になることへの「恐れ」を持っていると、それがマイナスのエネルギーとなり、体の免疫力を低下させ、自律神経系を乱し、体全体の霊性エネルギーの波動を下げます。

すると、本能は、自分自身の体に違う生命が宿ることに対して、

「今の自分の波動の低い体には耐えられない」と判断し、自分の体に生命体が宿ることを回避しようとして、ブロックをかけてしまいます。 

すると、なかなか妊娠しなかったり、または妊娠しても、すぐに流産しやすくなったりする場合があるのです。

もちろん、不妊の原因の中には、今世の課題として「子を持たない人生」を魂が選択している場合もあります。

霊視すると、「なぜ、子を持たない人生を選択してきたのか」、その理由がわかる場合もあります。 

理央さんは、今でも年に2回ほど、カウンセリングに来てくださいます。

現在の相談内容は、ご自身、ご主人やお子様などに関する前向きな相談です。

そう、あのときに流産したお子さんの魂は、約束通り、今、理央さんの元に戻ってきているのです。

理央さんは、お子さんの魂が戻ってこられるように、自分の心の傷を克服したのです。

ボランティアで児童施設の子どもたちのお世話をしたり、親子問題のカウンセリングを学んだり、そして、自分のインナーチャイルドと向き合い、愛や大切なものは自分で作り上げるものであることに気づきました。

そして現在は、2人のお子さんの子育てに追われています。

一度は「恐れ」から愛を遠ざけてしまった理央さんでしたが、愛を選び、「恐れ」 を遠ざけたことで、今は充足感を得た生活を送られています。 

 すべては「自由意思」という自分の意思による選択の結果です。

「我が子の魂は、一番に母の幸せを願っている」と知ったことで、それを信じ、行動することができたのです。

 

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