天職とは何でしょうか?
天職についてのスピリチュアルカウンセリングエピソードをお届けしています。前回の続きです。
その夢は手段か目的か
天職とは何でしょうか?
これは言い換えると「自分の夢」です。
例えば、学校の先生になりたい、カウンセラーをしようといった「何になりたい」「何をしたい」という「夢」がそれぞれにあると思います。
天職や夢の本質は、突き詰めれば、誰かの役に立てて評価されるということです。
アイドルで例えてみましょう。子どものころの夢が「アイドルになる」ことでも問題ありません。
でもそれだと、なった瞬間に夢は叶って終わってしまいます。
本当は 「アイドルになること」が夢なのではなくて、「アイドルになって活躍してファンの人に喜んでもらう」ことが夢なのです。
中には「なること」が夢だと思ってしまっている人もいます。
こうした人の多くは、 せっかくアイドルになっても、活躍せずにすぐに引退してしまいます。
自分のなりたいこと、叶えたい夢の本質が何なのかを正しく理解することが大切なのです。
そうすれば、アイドルになれなかったとしても、ファンを喜ばせるという「貢 献」は他の手段でもできるかもしれません。
例えば裏方の仕事、劇場の仕事、事務所の仕事、新聞や雑誌の記者など、様々な形で貢献することが可能になり、形は違っても「夢」を叶えることができます。
自分がやりたいことの本当の意味することが何なのか、それを突き詰めて理解することで、叶える「夢」の選択肢も広がっていきます。
夢は、その先に「目的」がなければならず、その目的をかなえるための「手段」を「夢」として追ってはいけないのです。
特定の手段を夢として追い続けてしまえば、 それだけ実現しにくくなります。
大切なのは手段の先にある「目的」です。
「アイドル」 は「誰かに喜んでもらう」という本当の目的に向かうための「手段」だということ。
そのアイドルという手段を通してその先どうしていきたいのか、が目的であり、
その 目的は「人に貢献できること」であってこそ、
それが「天職」に繋がるのです。
ただアイドルになりたい、ということだけが目的であるならば、それは自分の欲望を叶えたいだけになってしまいます。
「いかに」「どのように」人に貢献するか、という夢を実現する手段を「天職」に変えていくということです。
天職の確信を得る方法
美知恵さんは、夢を追い続けていたのでしょう、天職という夢を。
そこには「何のために」という目的がありません。
そのため、どのような仕事をしても、目的がないので、喜びや感動を感じられず、何をしても「天職」を育てていくことができなかったのです。
美知恵さんとは反対に、今の仕事でよいのかよくわからない……、と思いながらも、 転職することもせずに、何となく漠然と「違う」と思いながら働き続けている人も多いでしょう。
自分の存在意義も見出せない。
こんな私でよいのだろうかと。
「これが私の天職なのだ」という確信に繋げるためには「どう世の中に貢献できるか」 と考えることです。
小さなことでよいので仕事を通じてどんなふうに他人の役に立て るのかをよく考えてみることが大切です。
今まで気づいていなかっただけで、今の仕事の中に新たに世の中に貢献できることを見つけることができるかもしれませんし、やはり今のこの仕事は違う、と思うかもしれません。
答えが出ない時は、少し視点を変えてみるのもよいと思います。
例えば、今まで参加したことのないイベントに参加するとか。
あまり話したことがない人と話してみるとか。
月の裏側は、地球を離れなければ見ることができないのと同じです。
いつも同じ生活、同じ人間関係の中だけで過ごしていたら、外の世界が見えず、様々なチャンスも見逃してしまうでしょう。
いつもの環境から抜け出すために、 まずは行動し外に目を向けると、新たな出会いを通じて様々なチャンスがやってくることでしょう。
新たな人との出会いがなければ新たなチャンスを見つけることは難しいかもしれません。
人は人に感化され刺激され、様々な経験談を聞き、コミュニケーションをとることで方向性を見つけ出していくものです。
コミュニケーションが苦手だからと人を 避けていては新たな可能性も広がりません。
人生は自分の思う通りにならないことが多いのですが、
理想像、天職等あるいは運命の人を探し求めている人も同様です。
求めるだけでは人生は好転しません。
すべてにおいて、自ら行動して、人との関係性を築き上げることが大切であり、
それにより自分自身の人生を好転させていくことができるようになります。
今の状況から目をそらさず、仕事も何を目標として、自分自身がどのように取り組むかを考えることで、「天職」にできるのです。
目の前の仕事、 一つひとつを大切に
美知恵さんは、これらの話を自分自身に照らし合わせました。
「よくわかります、その通りだと思います。天職は作り出していくもの。私は、天職を夢のように考えていました。夢を求め続けて、現実の嫌なことから目を背けてきた。 自分の思う通りにならないことや面倒な人間関係があると、すぐ逃げてきました。天職だったらこんな嫌な思いをしないはずだと。 でも誤った考えだったんですね。その仕事の中で経験を重ね、色々な人と関わり、 自分が相手のためにどのように貢献していけるかを考えて行動すれば、現実から逃げ ることはなくなるのだということがわかりました。 今までは表面的な満足を追い求め、それを満たされないと逃げて、天職探しをして きました。先生は、霊能者という仕事も天職とは考えていないと言われていますが、色々な経験の中から、天職にしていったんですね。私も、今までの自分を反省して、人や 仕事への取り組み方や心持ちを180度変えられる気がします」
美知恵さんは、本当の天職の意味を理解しました。
きっとこれからの人生の中で「天職」といえるものを自分自身で作り出していくはずです。
実はこれも「魂鏡」なのです。
自分の学ぶべき課題が「仕事に満足できない」という形で映し出されていました。
そこに気づき、目の前の仕事、人との関係を一つひと つ大切にすれば人生は好転していくでしょう。
カウンセリングから数年経ったころ、久しぶりに美知恵さんがお越しになられました。
美知恵さんは、ネイルサロンを経営していました。
そして、スクールも開いてネイリストを育てる講座をしているとのことです。
「あれから自分自身を見つめ直しました。とにかく何か一つのことを辛くてもやり遂げてみようと決めました。自分に元気をつけるために、気分を変えよう!とネイルサロンに行ったのですが、 そこで働く人と仕事を見ていてとてもしっくりした感覚が……。また私の悪い癖が出たかなとも思ったのですが、スクールに通ってネイリストになりました。 続けているうちに、ネイルとハンドケアなど、トータルビューティーサロンとして店をオープンすることができました。もちろん大変なこともあるけど、頑張れています。でも今はまだこれが天職とは思わないことにしています、以前先生が、自分自身で天職にしていくと言われたように、私も今この時を大切にして過ごしていけば、いずれ自然と『天職』と感じられるのだと思っています」
自分の道を見つけ出して頑張っているご報告はとても嬉しいものでした。
「天職は探しても見つからない。自ら作り出していくもの」
ということを守護霊さまは教えてくれました。
『魂鏡の法則』の他の記事は、こちらです↓